夜のお仕事の世界では、夕方の出勤でも「おはようございます」という挨拶が交わされるように、言葉の意味は「言葉そのものの意味」ではなく使われる「文脈」で決まります。

転じて、一般的なリーダーシップ論やコーチングの文脈ではあまり適切ではないと思われる行動でも「その人」の「その局面」においては非常に重要な行動である、ということもよくあります。その人のリーダーとしての行動の「適切さ」も文脈によって決まります。 

コミュニケーションが大事だと言っても、あまりに政治的な内容で部下が理解できないのであれば、(自分が悪者になってでも)強引に進める場面もあるでしょうし、何もせずひたすら観察することが大事な場面もあるかもしれません。

物事をポジティブに受け止める場面もあるでしょうし、無理矢理ポジティブに転換するのではなく、厳しい現状を等身大で受け止めることがその人の大事なテーマになっているという場面もございます。
   
こう考えると「文脈力(=「支援職」の立場としては、その人の「文脈」を明らかにするちから)」というのもリーダーシップのパートナーたる私たちにはとても大事な能力だと思います。

社会のテーマ、会社のテーマ、組織のテーマ、その人自身の人間としてのテーマ、その人の過去、その人のこだわり、想い、未来への希望、信じていること、世界の見方、そして葛藤や恐れ..

そうした多様な「変数」が明らかになり、ひとつの流れとして凝縮されていくようなテーマ設定とそれに向けた行動が定まったとき、その人の影響力は非常に力強いものとなり、周囲を良き方向に導いていくものとなります。

そうした機会がひとつでも多く訪れるよう、懐の深い文脈力を養い、「その人」にとって適切な関わりをさせていただきたいと考えています。