弊社代表の山田は、任意団体「三思会」に参画し、志ある経営者達とともに、哲学、芸術等、我が国における「メタアカデミズム領域」の保全に向けた寄付活動に取り組んでいます。

メタアカデミズムの保全

「アカデミズム」の伝統の浅い我が国においては、より実践的で効用が見えやすい学問である、数学、理学、工学、医学といった「自然科学」分野、あるいは、経済学、法律学、法律学、人間諸科学などの「社会科学」分野が注目され、民間から支援もこれらの分野に偏っています。

一方で、これらの分野よりも扱う対象の抽象度が高い哲学や文学、芸術学等の「人文科学」分野に対しては、直接的に結果に結びつかないという理由からか研究活動のための資金は集まらず、国家からの支援に頼らざるを得ない現状です。

「アカデミズム」自体の底上げ

しかしながら、「言葉」によって構成されたこの世界において、これらの分野は既存の枠組みを懐疑し問題を根本から考える、いわば「メタ・アカデミズム」の分野。考える深さや幅、奥行きを広げるという意味で世界に大きな影響力を持ちうる非常に重要な学問です。

それ故に、欧米の支配者層では「帝王学」としてその子弟にこの分野の教育を施し、寄付の実績としても多くの資金が集まっており、また「哲学者」のステータスも高いようです(もちろん「哲学者」も社会にしっかりと関わっています)。

こうした研究分野の層の厚さとそれに対する国民の理解が国力を左右する面もあり、また「民度」そのものでもあります。我が国においても、国家財政の都合に左右されることなく若い研究者が研究に携わり、その研究成果がアカデミズムの質全体を底上げしていく環境を整えていくことが急務です。

こうした観点から、三思会では、独立行政法人日本学術振興会をはじめとする学術振興を目的とした団体、あるいは東京大学、京都大学、東京芸術大学等に設置された基金への寄付活動を通じてメタアカデミズム領域の保全を推進しています。そして、これら寄付先の選定に当たっては「寄付学」等の諸学問も参考にしながら、我が国アカデミズムの構造を俯瞰し、決定してまいります。

我が国アカデミズムの構造

我が国の学術研究においては、各研究分野の頂点は「学会」であり、そして、これら「学会」は内閣総理大臣直轄の特別機関である「日本学術会議」においてネットワーキングされており、相互に検証されています(自称「学会」を称するものも多いですが、この枠組みの外にあるものは「アカデミズム」とは言えません)。

ここで「日本学術会議」は国家機関であり直接の支援の対象とはなり得ず、三思会の支援対象は、日本学術会議と連携して学術振興を担う二つの団体、

  • 昭和天皇の御下賜金によって設立され、学術研究の助成や研究者養成のための資金の支給等を通じて学術の振興を図る「日本学術振興会」(独立行政法人)
  • 学術に関する調査と情報発信、科学に関する知識の普及・啓発を担う「日本学術協力財団」(公益財団法人)

及び、研究者養成機関としての最高学府である大学を対象としています。

この考え方は、学術の現場である「学会」の上位構造にアプローチすることにより、全体を俯瞰し、真に必要なところに資金が措置される構造を担保することを意図しています。

真の寄付文化の定着に向けて

以上、弊社代表の山田及びその所属する三思会は、このような活動を通じ、アカデミズムのオーナーとして、知の最上流である「メタアカデミズム領域」の保全に貢献するとともに、「真の寄付文化」の啓蒙及び定着に取り組み、我が国全体の思考の底上げに努めて参る所存です。

新しい時代においても、我が国がその文化と精神性を保ちながら、誇り高く存在し続けられるよう、心より祈念しております。

令和元年5月1日 山田 亨